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このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

画廊主
   の
独り言
お叱りのお言葉,ご意見など
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亀田興毅が19歳で世界チャンピオンになった。ただ、3人の審判員の判定が下される瞬間まで
誰もが対戦相手の勝利だと思っていた。本人の亀田興毅でさえも。
試合前の大言豪語ぶりの割にはつまらない試合だけに、最終ラウンドが終わると、一気に人の
心がさめてしまった。その事が負けた印象につながったのかもしれない。プロの審判員は亀田
のポイントを見逃さずに評価したのかもしれない。結果的には僅差で勝った。
ホームタウン・ディシジョンと言うのがあるらしい。興行主に有利な判定が下されるような審判員
が最初から選定される事が多いという。それでも今回ほど観客の印象と判定が正反対に逆転
する例もまれだ。
オリンピックの審判でも、えこひいきがあるくらいだから、プロボクシングにそれ以上のものがあ
ってもかまわない。スポーツと言うよりはショー、あるいはエンターテイメントなのだ。そう思えば
怒りは静まる。その代わりに後味の悪さが残る。それが不信感につながってゆく。政治の世界の
茶番劇に酷似している。そして世の中の出来事がすべてショーだとすると、退廃と倦怠感の泥ぬ
まに落ち込んでゆく気がする。それでいいんだろうか。

チャンピオン・亀田興毅

8月3日

長野県知事選挙で、現職で作家の田中康夫氏が、新人で元国家公安委員長の村井仁氏に破れ
た。2000年に現職の副知事に大差をつけて登場した田中氏だったが、二期6年の知事に終わりを
告げることになる。原因はいろいろあるだろうが、有力な後援者がこの6年間に徐々に離反したこ
とが大きい。6年前、きり絵作家の柳沢京子氏は、初代後援会会長として多数の女性票獲得に貢
献したし、八十二銀行の元頭取の茅野実氏は、地元経済界の支持を取り付けるのに貢献した。だ
が、今回はどちらも村井氏の支持に回った。足元から崩れては勝ち目がない。それでも田中氏は
勝てると思っていたのだろうか?あるいは知事で負けたら国政選挙に出ればいいと、タカをくくって
いたのだろうか?いずれにせよ、例のガラス張りの知事室は、応接間か広報室に転用され、新知
事の部屋は、旧態依然の密室仕立てで、他の場所に復活するのだろう。それですべて清算される
ことになるのか?
村井氏の政治的手腕は未知数だが、当選までの経緯から見て、田中氏以上にいろいろなしがら
みに染まっているのは想像に難くない。3年後の審判を楽しみにしようと思う。

田中氏が敗戦して

8月7日

台風7号・8号・9号の3つが天気図に載っている。7号は房総半島をかすめて太平洋に抜けた。8号
は沖縄の南を通過して今ごろは台湾の鼻先を西に進んでいる。9号は日本列島に及ぼす影響が
皆無なので、予報官のコメントは何もない。だが、8号についても、日本から遠ざかるのが確定し
たために、今朝の予報官のアナウンスは、「台湾付近を通って西へ抜けるもようです。」といった。
何げなく聞いていて、ほっとしたが、この台風は中国大陸に間違いなく上陸する。日本の天気図は
気象衛星の画像を元に作られていて、広く中国東部や朝鮮半島をカバーしている。それらの国も
同じ画像をもとに予報を立てるのだが、当然台風8号は中国にとっては深刻だ。同じ画像を見なが
ら、一方では胸をなでおろし、他方ではオロオロする。仕方がないと言えば、確かにそうだが、もう
少しコメントのしようもあるのではないか。たとえば「中国東海岸部の人たちにはきがかりな台風で
すが、、、」とか。それによって、共にアジアに生きる意識を共有することにつながると思う。すでに
北上して消え去った梅雨前線も、実は、最後には北朝鮮で史上まれな大雨をもたらしたという。
気象庁の人は、天気図のプロだから、それがどの程度かわかっているだろうが、われわれ一般に
はピンと来ない。こんな事で隣国に理解をといっても、意味がない。要するに、天気図というハード
ウエアはインターナショナルなのに、その解説などのソフトウエアがナショナリズムに傾きすぎて
いる。これは是正しなければならないと思う。

天気図のナショナリズム

8月10日

このたび戦後60年を経て私の叔父の遺骨が戻ってきた。ハバロフスクの墓地に埋葬されていた
骨が、DNA鑑定の結果確かに叔父であると確認された。戦時中、叔父は満州の飛行場にいた。
敗戦後、多数の兵士と民間人は内地に帰還したが、その直前に参戦したロシア軍に叔父は捕虜
として捕らえられ、ハバロフスクに送られた。鉄道敷設の労働力として狩り出された。記録によると
叔父の死因は、寒さと飢えではなく、切り出された木材の下敷きになったらしい。
8月15日を迎えて、私は一日本軍兵士の遺族である事を改めて意識する。
10年前に他界した私の父は、召集令状(当時は赤紙といったそうだ)を受けて、南方戦線、今の
フィリッピンに赴いた。現地に着くとすでに敗色が濃く、前線が後退に後退を重ねていたという。内
地で聞いていた話とはずいぶん違っていた。何とか銃弾に命を失うことなく、敗戦と共に内地へ引
きあげてきた。それから私が生まれた。父が南方戦線で戦死していたら、今の私はない。
今日は8月15日。やはり小泉首相は靖国神社に参拝した。参拝の是非はあえて問わない。首相
就任以来度重なる参拝で、アジア、特に中国と韓国との関係は悪化した。政治家・小泉は信念を
貫いたのだろうが、近隣諸国との関係悪化の責任はどう取るのだろうか。政治家は全て結果責任
を問われる。良かれ悪しかれではない。結果が全てだ。それが政治家のはずだ。幕引きを次の首
相にゆだねるつもりなら、無責任のきわみだ。
今日の日を迎えて、叔父の遺骨と共に、遺族として思う。戦争を指導した戦犯と、徴用された兵士
を一緒に祀らないでほしい。

8月15日を迎えて

8月15日

福岡市と争って東京都が2012年のオリンピック開催都市に名乗りを上げていたが、このたび東京
都に軍配があがった。日本国内の開催地候補が一本化されただけで、これから外国の開催地
候補と誘致合戦が繰り広げられる事になるのだが、このことに石原都知事が並々ならぬ意欲を
示しているのに少々驚いている。
私は、石原慎太郎は、大衆小説家だと思っている。彼が一橋大学在学中に「太陽の季節」で芥川
賞をもらって、颯爽と文壇にデビューしたのは有名な話だが、政治家としての資質があるかどうか
はわからない。都知事に立候補したときのスローガンが、「東京から日本を変える」だったが、初
当選以来7年を迎える今、日本をどう変えたのか、私に伝わってくるものはない。
ただ、氏の言う「日本を変える」道具として、オリンピックが大きな意味を持つことは理解できる。
国ではなくて、東京都の裁量権が大きくモノをいうからだ。現在二期目の知事は、来年再選をめ
ざすことを明言している。オリンピックという「絵に描いた餅」が、再選の有力な後押しになること
だけは間違いない。この手法は、並みの政治家の常套手段ではなかったのか。
慎太郎万歳!的なホームページをごらんになりたい方は、次にアクセスしてください。
http://www.sensenfukoku.net/novel/novelm.html

北京の次は東京?

8月30日

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