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2005年11月



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お叱りのお言葉,ご意見など
画廊主
   の
独り言

このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

11月分
12月分
10月分

惜しまれながら世を去った同世代の画家が二人いる。ともに友人だったが、これまたともにガンで
あった。ガンはいまでも怖い。半年も経たないうちに症状が急変する。
どちらも妻がいた。妻たちもそれぞれ仕事をもっていた。一人の妻は、夫の残したメモから、夫の
交友関係すべてに、自筆で生前のお礼状を送った。「夫の絵を大切に持ち続けてください」とも書
き添えられていた。もう一人の妻は、私のホームページ上から、夫の記事をすべて抹消してくだ
さいと言ってきた。妻の知らない夫の知人と称する人たちが、遅ればせながらと言ってやってくる
のがいやで、それはホームページの記事が原因だと言う。夫の交友関係に優しい妻と冷たい妻。
私生活上の配慮は必要だが、画家としての夫の仕事をたどる道は閉じられた。画廊主としては、
非常につらい。
ちなみに、この同世代の画家は友人同士。それぞれの妻は、お互いに面識はない。きっと天国で
嫁の品定めを言い争っているに違いない。芸術家として。

画家の妻たち

11月17日

年をとってからわかる事って多い。10年前に新聞が読みずらくなって、それが老眼だと
わかったのが、とてもショックだったのを覚えているが、それ以来、毛髪が薄くなり、人
並みの高齢者に近づきつつある。その事自体は慣れてしまったのだけれど、毛髪自体
が、細くなっているのに気づいたのは、かなり後になってからだ。そして、男の場合、毛
髪とヒゲは、違うホルモンがコントロールしているのだということを実感するようになった。
なぜなら、ヒゲは一向に衰えない。細くもならない。だから男の威厳を保つには最適の
道具だというのもうなずける。
ヒゲといえば、10年前になくなった父親の葬儀のときに、棺に入れられた父のヒゲが、
通夜があけると伸びていたのを思い出す。どうやら、心臓が止まっても、栄養分が多少
でも毛根に残っている限り、ヒゲは伸びるらしい。若くして死んだ人なら、一夜明けて、
毛髪ものびるのも、ありえない事ではないと思う。
とにかく、このヒゲをコントロールするホルモンと毛髪をコントロールするホルモンがどの
ように違うのか、明らかになっているのだろうか?わかっているとすれば、有効な発毛料
が出来ているはずだが、そんなものはない。
いっそのこと皮下組織ごとそっくり頭に移し変えてはどうだろう。老化の道をたどる男の
かわいい夢の話です。

毛髪とヒゲ

11月23日

独立行政法人になった公立の美術館が、資金難に陥ったあげく、競争の原理の導入
とやらで、運営の一部民営化に踏み切る事が、美術館本来のあり方から見て適当な
ことかどうか疑わしい、という記事が今朝の日経の文化面に出ていた。
小泉内閣の改革路線が例外を作らないことで、美術館もそれに巻き込まれたというわ
けだが、10年あるいは100年単位の評価に根ざした収集を旨とする美術館の活動が、
時代の動きに左右される民間業者とは相容れないという論旨は、よくわかる。だが、は
たしてそのような歴史的評価に耐える収集の仕方を続けてきたかは、大いに疑問だ。
20年程前バブルの絶頂期に、アメリカのニューペインティングの作品を高値で買いあ
さった美術館は、全国にゴロゴロある。逆にいやいやながら、貿易黒字を減らすため
に政府から別枠の予算をあてがわれて、10億単位の作品を収集した国立美術館も
ある。日本政府には、もともと一貫した芸術政策がない。
翻って、いまさら民営化というのも変な話だ。日本の美術館は、新聞社やテレビ局が
スポンサーの展覧会を昔から受けてきたので、当初からいわば民営化されているの
だ。そんなことよりも大事な事は、「評価に耐える」作品を収集する事だ。そのために
は、一度収集した作品でも、後の評価の変動によっては、相応の価格で手放す事も
出来るようにすべきだ。欧米の美術館は、そうする事によって、収集作品のレベルを
保っている。そういう基本的な論議のないまま、総枠の規制と民営化だけで済ませる
なら、いまに日本の美術館は、粗大ごみの溜まり場になる可能性がある。そろそろ大
人の国になってもらいたいものだ。

独立行政法人になった
美術館のゆくえ

11月26日

大阪市役所の横の舗道で、夜のイルミネーションが点灯された。神戸のルミナリエの
ミニチュア版だが、今年はブルーの光が美しい。今は人通りもまばらだが、年末にか
けて、徐々に人が増え、クリスマスにピークを迎える。市長選が終わって、問題山積
の大阪市だが、このイルミネーションの総費用はいかほどか、少々気になる。

ルミナリエのミニチュア版

11月29日

12月分
2006年1月分