2004年11月
このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。 天野画廊 天野和夫
「アートの現場を考える」というシンポジウムのパネラーの一人として壇上にあがった。もとは、
このシンポジウムの仕掛け人らしく、裏方でよかったのだが、企画者を代表する形で出るはめ
になった。始まってすぐに、これはまずいと思った。司会者とパネラー、聞く人相互の距離感が
すごくあって、生き生きしたトークができない。壇上に並ぶ配置をもっと考えるべきだった。後悔
しても、時すでに遅く、2時間があっという間に過ぎたが、反省することしきり。「画廊の視点」か
ら、「gallerism」に名称変更した意味を問う企画だっただけに、落第点はつらい。聞きに来てく
れた人たちにも申し訳ないと思った。
来年はリベンジで、円卓会議にしようと思う。本音トークは円卓に限る。
シンポジウムは落第点
2004年11月8日
「小さい秋見つけた」という童謡が、私の家の向かいの小学校から聞こえてくる。秋の兆しをあ
ちこちに見つける感性豊かな童謡だが、ふと英語にしてみたくなった。small autumnでは、もち
ろんダメ。英語圏の人には伝わらない。もともと秋そのものが、大きいとか小さいとかの対象で
はない。そこで言葉を補う必要がある。秋の情景、イベント、事物、どれも正解だが「小さい」とい
う形容詞との相性が悪い。そこで、秋の1コマ1コマという感じでmoment of autumnを使ってみ
る。これに「小さい」という形容詞をつければほぼ出来上がるが、smallではおもしろくないので
prettyにすると、愛でる対象としての意味が出てくる。と、まあこんな経過を経て、次のような文
章が完成する。 I find a pretty monent of autumn. 歌の文句はやさしいようで難しい。
英語の教材にぴったりなので、使ってみたら好評だった。
小さい秋見つけた
2004年11月20 日
関空からソウルへ向かう全日空の機内で、ドリンクサービスに珍しくJamesonのボトルを見つけ
た。ウイスキーの好きな人ならお分かりだが、Jamesonはアイリッシュウイスキーの定番、決し
て高い酒ではないが、バーボンやスコッチとは一味違う。素朴で強い腰のあることで定評がある。
いつもなら機内ではビールを注文するのだが、こんなものがあるのなら話は別。早速ロックで
注文した。至福のひとときをすごす。このところの不況で、ジャンボからDC8に格下げされた機内
は、設備が旧式でシートも狭い。実質的にサービスの低下だが、Jamesonに免じて許してあげよ
う。旅のさいさきは、いいスタートをきった。
Jamesonで至福
2004年11月30日