2月分
3月分
2007年1-12月分
2005年1-12月分
2004年6-12月分

2008年6月



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お叱りのお言葉,ご意見など
画廊主
   の
独り言

このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

2006年1-12月分
2008年1月分
4月分
5月分

橋下知事の財政改革の中で、削減一点張りではなく、プラス志向の部分が少し見えてきた。教育
日本一を目指すらしい。具体的に何をしようとしているのか、伝わってこないので、なんともいえな
い部分があるが、財政難の折、少ない投資額で大きな効果を狙える分野であることを見据えた点
においては、着眼点のよさをほめてもいいと思う。
教育日本一は、しかし、何をもってものさしとするのだろう。文部省の方針は、ゆとり教育と詰め込
み教育の間を、揺れ動いている。塾の講師を学校に迎えて補習をするのを見ていると、まるで城を
明け渡した城主のようだ。いや、実は、城主のように振舞ってきたから、ついに城を明け渡さざるを
得なくなったわけで、教育者=城主という設定自体に問題があったのだ。
教育の根幹は、教える・教えられるという関係ではなくて、人間としての信頼関係にあることを、この
際思い起こしてほしい。その最大の障壁が、「先生」という呼び方にある。特に、「先生」同士が、「先
生」と呼び合っているさまは、見られたものではない。日本語としての本来の「先生」を逸脱した使い
方を、「先生」自らが行っているわけで、この間違い、あるいは最悪の偽善が、有形無形に生徒に影
響を及ぼさないわけがない。人間には一人ひとり名前があって、それぞれ個性があるのだから、「先
生」を名前で呼ぶのが、一番自然で、合理的だ。そうすることに、別段特別な予算を組む必要はない。
もっとも安上がりで、もっとも本質的な改革だと思うが、どうだろう。

教育日本一の疑問

6月3日

北朝鮮の拉致問題が、にわかに動き出した。アメリカ政府が、北朝鮮をテロ支援国家の指定解除に
ふみきることがはっきりした。その条件として、アメリカ政府から北朝鮮に、日本に対して拉致問題に
ついて、何らかの回答をするようにという通告があったらしい。そういう国際政治のうえの取引の結果
として拉致問題が解決するのは、好ましいこととは思えない。付随する条件として、万景峰号の入港
を認めるなど、大幅な譲歩をしなければならないこともその理由だ。
金正日専用のこの大型船舶は、「地上の楽園」に還る人々を大量に運んだことに始まり、核関連の
装備品を部品やスクラップの名目で、不正にかき集めて運搬、あるいは、パソコンやビデオなどの
日本のハイテク製品を運搬、これらすべてが、金正日個人の政権維持のために、頻繁に行われてき
た。長年にわたり黙認されたこの船の入港が、遅きに失したとはいえ、数年前に入港拒否に転じたの
は、実に画期的な出来事だった。この切り札の重さを、日本政府は真剣に考えてほしい。
アメリカが自国の利益のために、テロ支援国家の解除をするのは勝手だ。そのバスに乗り遅れないよ
うに、日本は安易に妥協すべきではない。アメリカがテロ支援国家の解除をしても、日本は断固、独自
の北朝鮮政策をとる英断は、望めないのか?
もちろん国際政治は、大国の横暴がまかり通るのは常識だ。長いものにまかれろというのも、時には必
要かもしれない。しかしよく考えてほしい。おそらくは、拉致問題に関して、全面解決はありえない。数名
の拉致被害者が、日本への帰国を果たすことができるようになったとしても、それで政治的決着がつけ
ば、残りの拉致被害者の帰国は、完全に絶望になる。それよりも、死に体をみせている北朝鮮に、今し
ばらく制裁を堅持することで、全面解決の可能性も大いにあるはずだ。

アメリカにしろ、北朝鮮にしろ、政治的決着を急ぐ理由は、それぞれに大きな利益が生まれるからだ。
今回、うかつに彼らのペースにはまると、日本は利益どころか、大きな不利益を強いられる可能性があ
ることを、肝に銘じなくてはならないと思う。日本の政治家の未熟さには、言葉がない。

拉致問題はほんとうに
解決するのか

6月20日

7月分
8月分