6月分
2008年1月分
2006年1-12月分

このページは、天野画廊の画廊主・天野和夫の、きわめて個人的な出来事を綴ったものです。
画廊の仕事が、一見個人的であるにもかかわらず、社会的な機能を果たしているありさまを、
おわかりいただけるかと思います。
自他ともに、プライバシーには慎重に配慮いたしますが、うっかりと逸脱している場合は、すみ
やかにお叱りのお言葉をお願い申し上げます。                天野画廊 天野和夫

画廊主
   の
独り言
お叱りのお言葉,ご意見など
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2008年8月

2004年6-12月分
2005年1-12月分
2007年1-12月分
3月分
2月分
4月分
5月分

週明けにもつれ込むという大方の予想を裏切って、あっという間の内閣改造だった。閣僚の顔ぶれに
ついては、あれこれ論評する偉い先生方が、このスピード劇については何もいわないのが不思議だ。
政策について、いつも後手後手にまわる福田首相だが、閣内人事については、かくもすばやくできる
のを、どう理解したらいいのだろう。よほど仲良しグループを集めたかったとしか思えない。
さてその内容たるや、目新しいものは何もない。幹事長に麻生氏を起用したことと、野田聖子議員に
消費者庁の設立を担当させたことくらいだ。拉致問題担当の中山氏を特命大臣に格上げしたことを
付け加えてもよい。国民においしそうなメニューを並べたまではよいが、メニューの横に、「売り切れ」
や、「準備中」の表示が、やがて出てきそうな気がする。
総じていえることは、これで小泉の改革路線とは、完全に決別した。保守派と官僚の巻き返しだ。ご祝
儀程度の支持率上昇があったが、株価は依然低迷のまま、海外からは何の反応もない。そして霞ヶ関
の官僚たちは、ほっと胸をなでおろした。
これで、ますます公明党の存在が重くなった。公明党は自民党にとって、集票マシン。ずっと依存症の
症状だったが、もはや中毒症にまで深刻化している。この分だと、次の解散のキャスティングポートを
握るのは、首相でもなく、幹事長でもなく、公明党だ。
かくして、福田政権は、最後の自民党政権になる。

あっという間の
内閣改造


8月2日

北京オリンピックが始まった。柔道の試合をテレビで見ていて、ふと思うことがある。このオリンピックには
北朝鮮も出場している。ホスト国の中国ですら、いまや資本主義に転向している中で、北朝鮮は、今でも
かたくなに社会主義路線を堅持している数少ない国のひとつだ。普段強い口調で非難している多数の国
が出場するオリンピックに、北朝鮮が何ゆえ参加するのか、理解しがたいところだが、その昔、かのギリ
シャで、たとえ戦争中であっても、オリンピックのために、一時休戦する慣わしだったというから、その意味
では、北朝鮮の姿勢も、あながち外れているとはいえない。それならいっそ、次のホスト国はどこか知らな
いが、一度北朝鮮で開催してはどうだろう?はたして、日本やアメリカは、かつてモスクワオリンピックを
ボイコットしたように、平壌(ピョンヤン・北朝鮮)オリンピックもボイコットするだろうか。
タイミングを合わせたように、グルジアとロシアが戦闘状態に入った。領土問題をめぐるトラブルらしい。歴
史的な経緯もあるので、私には的確な判断を下せないが、ほかに解決のしようがなかったのかと思われて
残念だ。オリンピックが、必ずしも魔法の呪文のようではないことの証明でもある。
ただいえることは、かつて1988年にソウルオリンピックを契機に、韓国が先進国の仲間入りを果たしたよう
に、中国も、これで先進国の仲間入りを狙っているのだろう。それならそれで、毒入り餃子の事件を、政治
決着なしに、早期解決するくらいの度量を発揮すべきだろう。バランスの悪さが苦々しい。

北京オリンピックが
はじまった


8月9日

拉致問題に関して、日朝実務者協議が、中国・瀋陽で開かれた。北朝鮮代表の宋日昊日朝国交正常化担
当大使は、今回の協議がよほど不本意だったのか、協議終了後の会見で、拉致問題の再調査着手に合わ
せ日本側が制裁を一部解除すること。それができなければ、北朝鮮は日本に対して必要な措置をとることを
表明した。アメリカがテロ国家指定の解除を先延ばしにした理由のひとつが、拉致問題の解決に消極的な姿
勢にあったのは、明らかだ。今回の協議は、米朝の政治的駆け引きの産物なのだが、北朝鮮代表の捨てぜ
りふ「必要な措置」は、いただけない。これではまるで、加害者の居直りだ。北朝鮮の常套手段だといえばそ
れまでだが、そこまでいわれながら、制裁解除に踏み切る必要は、まったくない。
南オセチア問題で、グルジアとロシアが交戦状態に入って、ほぼ1週間。ロシアは圧倒的な軍事力で、オセチ
アをほぼ制圧したらしいが、ロシアの言い分は、そこに居住するロシア人の保護のためであった。もちろん額
面通りには受け取れないし、紛争を武力で解決する姿勢にも、日本人としては賛成はできない。ただ、うらや
ましく思うことがひとつある。自国の利害問題を自分で考え、自分で行動に出る権利を確保していることだ。
日本には、それがない。いつもアメリカの顔色をうかがいながら動いている。
今回だけは、拉致問題でアメリカは日本の後押しをしてくれた。だが、二度目はないだろう。そのときに、拉致
問題の未解決を理由に、制裁解除に踏み切らなければ、いよいよ北朝鮮は「必要な措置」に出る。見え透いた
シナリオだ。アメリカ頼みのツケが、もうそこに待っている。何とかならないのか、この政治小国。

北朝鮮代表の
捨てゼリフ


8月13日